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ジェンツローブ

イギリス

オーク材

1930年頃

横幅：92.5cm　奥行：56.5cm　高さ：134cm
ハンガーレールから扉内床までの高さ 101cm

背の低いタイプのワードローブです。
女性のドレスではなく男性のジャケットなどを収納したことから、ジェンツローブ(gent's robe)とも呼ばれます。
横にはシャツや帽子などを入れるための棚がついてることも多く、このお品もそうしたお品の一つです。
ワードローブに比べるとかなり数は少ないですね、ワードローブ20台に1台くらいでしょうかね。

全体のデザインはシンプルで、扉部分の装飾がアクセントになっています。
その配置や扉の横柱があえて中央ではなく下に寄っているところなどは、さりげなくも絶妙のバランスだと思います。
飴色がかったような優しい色も素敵ですね。
天板上に飾りがついているのも良いですよね。
取っ手金具も非常に細やかなデザインで、シンプルだけど手は抜いていない感じがします。
右側の棚部分などの材木はもう少し厚の薄いものが使われていることが多いでしょうか、厚みがある分だけしっかりいしているように感じます。
左右を分ける壁部分が前側の柱を兼ねていることでよりしっかり感を増していると思います。
ジェンツローブを含む扉間に柱がついていない2枚扉は、右扉を開けないと左扉が開かない構造(稀に逆も)になっているものが多く、こうして左右の扉が独立して開閉できるジェンツローブは珍しいものと言えます。
仕切りのついた引き出しがついているのも便利そうですよね。
私(伸長167cm)で言うとみぞおちくらいの高さくらいでしょうか、ほど良く見下ろせる感じの位置についています。

ジェンツローブのハンガーレールは、このお品のように前後に引き出して使うものも多いです。
ワードローブではあまり見ないのは、扉内に棚がついていないことで十分な横幅があるためだと思います。
その分ジェンツローブではこのお品くらいの横幅になり、細身のものはまず見ないほどに珍しいですね。
そのハンガーレールですが、前に引き出すと横向きについているハンガーレールも連動して出てきます。
(例としてハンガーを吊るしたお写真を掲載しておりますのでご参照ください。) こうすることで、ハンガーが左右方向でも前後方向でも吊るすことができるのは便利だろうなと思います。
非常に合理的だと思うんですけど、引き出しタイプのハンガーレールでこんな構造になっているのは初めて見たかなと思うくらい珍しいです。
水平に動きやすくなるので引き出しもスムーズになりますし、なんで普及しなかったんでしょうね。

天板にニスハゲとキズと合わせ目のすき間と少しの反り、左側面にキズ、棚板にパーツ跡がありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

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