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アームチェア

イギリス

マホガニー材

1910年頃

横幅：56cm　奥行：58cm　高さ：92.5cm(座面高41cm)

エドワーディアンスタイルのかっこいいデザインが魅力のアームチェアです。
背もたれのインレイが非常に細やかで、この部分を見るだけでも良いお品であることがうかがえます。
座面高がやや低めのサロンチェアタイプになります。
イギリスアンティーク家具らしい引き締まったかっこ良さがあるように思います。

エドワーディアンとはエドワード7世在位(1901-1910)の頃に流行したデザインを指しています。
その前に流行した華やかなビクトリアンと比べると、すっきりとした印象のデザインが多いです。
曲線が多く色が深めのビクトリアン、直線が多く色が明るめのエドワーディアンという感じですかね。
中華料理は味が濃いくらいの解像度の説明ですが、大づかみに言うとこんな感じです。
インレイが使われているのもエドワーディアンの特徴の一つと言えます。
インレイとは主材に対して異なる材料や杢目を使って絵のような意匠や線状の装飾など様々なデザインを作り出す技法で、その工程により正確には呼び名が異なりますが、当店では総じてインレイと呼んでおります。
日本語では象嵌細工(木象嵌)が一番近い表現だと思います。
イギリスには17世紀後半くらいから使われ始めた技法です。
模様分だけ彫りこみ、そこに異なる素材をはめ込む技法や、模様を作った薄板を貼る技法(veneer)、幾何学的なシンプルな寄木など何種類かに分かれます。
いずれにせよ非常に手間がかかり、高い技術を必要とする技法で、彫刻とはまた違った魅力があります。
絵のようなマーケットリー(marquetry)から線状になったストリンギング(stringing)、幾何学的なパーケットリー(parquetry)など様々です。

チェアはダイニングチェアをはじめとした座面高が47cm前後のタイプと、サロンチェアやソファなどの43cm前後くらいのお品とが一つの区切りになると思います。
ダイニングチェアはお尻が沈み込まずに背筋をまっすぐにすることができるのでお食事がしやすく、サロンチェアやソファはお尻が沈み込む(重心が後傾する)のでくつろぎやすいという感じですかね。
座面高が低めでも背もたれに持たれずに背筋を伸ばして座るようなお品(ビクトリアンセティなどの繊細に作られたお品)もありますかね。
座面高が低めで膝裏の圧迫感がないだけでも十分にくつろぎ感を得られると思います。
アームチェアはパーソナルチェアとしてくつろぐの時間を過ごされる方が多いですかね。
自分用のお椅子をアンティークにするというのは憧れますよね。

前述のように背もたれのインレイが見どころと言えますかね。
細工の細やかさ、デザインの美しさはアンティーク家具らしい魅力を感じます。
ここまでのお品はなかなか見つからないものと言えます。
全体的な造形も上品で素晴らしいと思います。
ひじ掛け部分の造形や座枠前面の曲線的なデザインなど、何とも言えない優雅さがありますよね。
先ほどエドワーディアンは直線多めと説明しましたが、比較的曲線的なデザインだと思います。

座面はほど良く硬めと言えますかね。
インレイの所々にはがれ、背の合わせ目にすき間がありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

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